いつもあなたと。

最近はネタバレなしの総評のみ。購入の参考になったらいいな。

大正×対称アリス HEADS&TAILS 猟師編 ネタバレ有り感想

はい!!猟師編、終わりました!!

いや〜〜〜改めてこの作品、すごいですね…
まさに舞台の「裏側」を見た気がしました。

なんというか、本編プレイ時は分割販売のおかげで数ヶ月に渡ってプレイして、徐々に衝撃を受け入れていく感じだった ( といってもep3まで全く気が付かなかった ) けど、こう、ひとつのルートでぶわーっと経緯をみると、とんでもないストーリーだったなと……思いました………


まず諒士さんについてですね。
この人、すごい心労の絶えない人生を…送っていらっしゃいますね…終始話が重かった………

医師の家系で生まれたこと。それで必然的に医師を目指すようになったこと。家系だからといって、医者なんてそんな簡単に目指せるものじゃないからね…それだけでもうストレスその1って感じ。

そして容姿も特殊で何をやらせても器用にこなす天才タイプの妹の誕生。お兄ちゃん普通に面倒見が良いので、私コンプレックスとか知りませんでした。白雪ルートで言ってたりした…?忘れてるだけだったらごめん(笑)これがストレスその2ですね。

ここにアリステアくん問題が降り注ぎます。私だったらきっと胃潰瘍になってること間違いなしです。諒士さんすごい。


でも本当に幸運だと思ったのは、家族は置いておいて、周りにいるのが本当に優しい人ばかりだったというところ。
高校時代の友人もそうだし、大学時代の友人もそう。良い意味で「普通」の友人に囲まれて、社会に出てからも良好な人間関係でお仕事が出来ている。まあ諒士さんが良い人だから、こういう交友関係なのかもしれないけど。
それでも、人間関係で悩むことはなく、そういった類のストレスのない生活が送れていたのは大きいんじゃないかなって思いました。


諒士さんは根本的に優しくて、面倒見がよくて、放っておけないタイプなんだと思います。自分ではそう思ってなさそうですが。

わざわざ小学校 ( だっけ? ) まで心配して来てくれちゃうの、あまりにも優しすぎる。しかも様子をみるだけじゃなくて、声までかけるのすごくない?面倒見が良い。



そして大学生になり、白雪くんと出会います。

この出会いは、諒士さんにとって、わりと人生の転機だったんじゃないかなって思います。

なんというか、この2人の空気感良いですよね。
落ち着くというか、なんというか。

白雪くんが、諒士は医者に向いているよ、血を見ることだけが医者じゃない、って言ったの、本当に諒士さんにとって救いだったんだろうなあ。


白雪くんに出会わなければ、食欲不振になることもなかったし、精神科に通うことだってなかった。そうなると、精神科医になることもなかったと思うし、例えなっていたとしても、アリステアくんだって、ただのDID患者で終わって、あんなに必死で駆け回ることもなかった。


それでも、彼に出会わなければ、この先の人生がもっと辛いものになっていたかもしれないし、どこかで潰れていたかもしれない。家族仲も変わらず、なんとなく気まずい距離があったままで。逆に、全く別の、もっと良い人生を歩んでいたかもしれない。どちらにせよ、違う人生を送っていたのは間違いないと思います。

この出会いが、諒士さんにとって本当に良いものだったのか、それは誰にもわからないけど、きっと良い出会いだったのではないかと私は思いたいです。だって、諒士さんは今の生活で良かったと思っていると思うから。個人的に、オオカミくんに「医者を目指してよかった」と語っていたのは、ちょっとぐっときました。
だからきっと、諒士さんが一歩前に進むことが出来た、プラスの出来事だったと思っています。



それにしても、あんな出来事があれば誰だって食欲不振になりますわ…白雪編プレイした時、私ですらちょっとメンタルダメージくらったよ……しかも諒士さん、グロいのだめだし、血もダメで、研修で吐いちゃうような人でしょ?そりゃ大ダメージだったことでしょう…

諒士さんは「白雪の気持ちに気付いてやれなかった」「何もしてやれなかった」と悔いていたけど、あんな状況、中々踏み込めるものじゃないし、自分がどこまで関わっていいのかわからないものだと思うのです。ほんとに。だって、子供が夜に出歩いていただけですよ。しかも一見すごくしっかりしている子供が。そりゃ気づける方がすごいでしょ…いや、でも夜って何時くらいなんだろうな?毎日だったらそりゃ怪しいけど、さすがにお母さんが亡くなってるとは思わないでしょ…
そしてあの状況で、逃げ出さずに「お前は悪い子じゃない」と声をかけられたの、純粋にすごいと思うの。積み上げてきたものがあろうとなかろうと、なかなか出来ることじゃないよ。だからあの時は、諒士さんに出来る最大限のことが出来たんじゃないかなって思います。

そして白雪くんのことを考えても辛いね…
全部気付いて、この辛い記憶を引き受けるのは僕1人でいいって。それでも、辛いことばっかりだったけど、諒士さんとの思い出が、「俺しか知らない幸せな記憶」なの、あまりにも泣いてしまうな…



まあそんなこんなで(?)ついに百合花ちゃんの登場です。

このルートで、百合花ちゃんも完璧ではない、むしろ危ういところだらけの女の子なんだなあとものすごく感じました。なんというか、すごく「妹」だった。

あとやっぱり諒士さんからしても、オオカミくんがいるのといないのじゃ全然違っただろうなって思いました。オオカミくん、君は本当にすごい子だよ……


そしてお兄様あまりにも心が広くないですか…?本当に妹に甘くて、口は悪いけど海のように心の広い人だった……


両親が家を離れてしまう時、百合花ちゃんとアリステアくんがお家に2人きりになっちゃうじゃないですか。
その時、オオカミくんが諒士さんのところに乗り込みにいくシーンがあったと思うんですけど、そこのやり取りが最高でしたね。

オオカミくんが、お前なら問題ないだろって諒士さんに言われて、戦力外!みたいな感じで落ち込んだんだけど、そういう意味じゃねえよって。お前は自制心があるし人のこともよく見てるからって ( 要約 ) 。いやまじで諒士さん精神科医だな、人のことめちゃめちゃよく見てるしわかってる。

そして諒士さんにとって、オオカミくんはかなり頼れる存在だったんじゃないかなあと思います。そりゃそうですよね。百合花ちゃんのこともアリステアくんのことも、自分より近い位置で、違う視点でみてくれている。何かあったら大事なところは話してくれるし、百合花ちゃんの暴走も止めてくれる。諒士さんの胃に穴があかなかったのは、オオカミくんのおかげでもあると思いました。いや待って私オオカミくんのこと褒めちぎりすぎじゃない?大丈夫??(??)


まあそんなこんなで、上手くいっていたかに思われていた同棲も、グレーテルくんの出現により一気に崩れてしまいます。

私はこの時期が、この物語のターニングポイントだったのかなって思います。

百合花ちゃんとグレーテルくんが、共依存でそのままズブズブいってしまったら完全にバッドエンドです。正直百合花ちゃんも不安定だったし、ここが一番危うかったんじゃないかなと思います。
でもそうならないように奮闘してくれたのが、諒士さんとオオカミくん。いやもう本当君たちすごいよ。


諒士さんは、本当にこいつを救いたいと思っているのか、って百合花ちゃんがグレーテルくんに手を差し伸べるのを止めてくれた。オオカミくんは、アリステアくんに戻った後、動揺している彼を落ち着けて、前を向かせてくれた。
いやもう2人には頭が上がりませんね…………


グレーテルくんが諸々暴力事件を起こしても、しっかり自分の気持ちを抑えて後の対応をしてくれたの、諒士さんはやっぱり医者であり、大人だなあと思いました。



そんなこんなで、いよいよエンディングです。


私が先に見たのは、ED1でした。
おんぶして帰るやつ。
おんぶして、重い?ってきくイベントがあらゆる乙女ゲームで起こるたびに、恋戦記の仲謀の「人1人の重さが軽いわけねえだろ」みたいな台詞を思い出してしまうオタクは私。あの台詞私大好きなんです。

話がずれました。すみません。

言ってしまえば、アリステアくんのお陰で、ようやく「家族」という形ができた有栖兄妹。きっと心のどこかで、お互い気にかけていた部分はあったと思うので、こうして交流が出来るようになったのはよかったなーって思います。



次はED2。これはブラコン全開な百合花さんですね。
まるでカップルのようですが、これでこそ百合花さんなのでまあいいかなあと思いました。(笑)
有栖兄妹かわいいよ!これからはたっっっくさん仲良くして、家族らしいこともたくさんしてね!


こうして振り返ると、諒士さんはアリステアくんのことも、百合花ちゃんのことも、絶対に見捨てない、優しくて、最後まで大きな愛で守ってくれる人でした。お兄ちゃんってすごいね。家族ってすごいね。



猟師編、オオカミ編とプレイして、実はアリステアくんの方は結構前向きで、不安定だったのは百合花ちゃんの方だったのかもしれない、と思いました。

あと相手に尽くしがちなの、兄妹だなあって思いました(っ˘ω˘c)


いや〜〜諒士さん、オオカミくん、本当におつかれさまでした、と思ったFDでした。
こうして舞台裏?がみられて理解が深まったし、楽しかったです!


余談。誕生日プレゼントの予算10万はとんでもねえと思いました。



あとはアフターでおしまいですね!
おつかれさまでした〜〜っ!!!!